扁桃炎にかかると扁桃腺が炎症を起こし、喉が痛くなる他にも高熱や関節痛などの全身症状が出ます。
扁桃炎の原因は特別な病原体などではなく、身近な細菌(溶連菌・ブドウ球菌・肺炎球菌など)やウイルス(アデノウイル・EBウイルス・ライノウイルスなど)が感染することで起こります。
特に空気が乾燥する冬の時期に、空気中に浮遊している細菌やウイルスが扁桃腺に付着・感染することで免疫が反応して炎症が起こるケースが多いです。

扁桃炎自体は恐ろしい病気ではありませんが、重症化すると恐ろしい合併症を起こす可能性があり、最悪の場合命の危険にさらされます。
扁桃炎にかかってしまった場合には、適切に対処をすることが大切です。
高熱が出てしまったら、重症化させないようにすることがポイントです。

扁桃炎による食欲不振での脱水症状に注意

扁桃炎は扁桃腺に感染した細菌やウイルスに対して、免疫細胞が反応して炎症が起こる症状です。
扁桃炎になると喉の奥の方にある扁桃腺の部分が腫れるだけでなく、全身に高熱の症状が出る場合があります。
喉が腫れて高熱が出る点で、風邪とよく似た症状が出ます。
高熱が出たら、食欲不振や脱水症などの症状に注意を払う必要があります。

風邪やインフルエンザに罹ると、高熱が出て食欲不振が起こります
微熱であれば食欲がなくなる程度ですが、38℃以上の高熱が出ると吐き気や頭痛で食事ができなくなってしまうケースが多いです。
扁桃炎でも高熱が出る場合があり、扁桃腺が炎症を起こしている間は食欲がなくなってしまう場合があります。

扁桃炎は体の免疫力が低下することで起こる症状なので、早く治すためには十分に食事をとることが大切です。
高熱が出た場合や喉の痛みが強いときは食べ物を飲み込めなくなってしまうので、十分に食事をとることができなくなってしまうケースがあります。
しかし喉が痛いという理由で食事をしないと体の免疫力が回復するのに時間がかかり、扁桃炎が続くことになります。
免疫力を回復させるためには、休養と共に栄養を摂取することが大切です。

喉が痛くて食事ができない場合には、ヨーグルトなどのように柔らかい物を食べることができます。
扁桃炎に罹った際は、喉の殺菌をし炎症を抑える成分を含む食材を含む料理を食べる方法もあります。
喉を殺菌する成分を含む食品には、ネギ・ショウガ・大根などがあります。
炎症を抑える成分を含む食材として、梨・キンカン・花梨(かりん)・柚子(柚子)・黒豆などが挙げられます。
柑橘類や多くのビタミンCを含んでいますし、花梨・キンカン・柚子には炎症を抑える成分が多く含まれます。

扁桃炎で喉の痛みや高熱で食欲不振の症状が出たら、飲み込みやすい食品や炎症を抑える成分を含む食材・飲料を摂取すると良いでしょう。
逆に避けるべきものは、喉に対して刺激が強い食品・飲料です。
トウガラシなどの香辛料や炭酸飲料、アルコール飲料は避けるようにします。

扁桃炎で高熱が出ると汗をかくので、体の水分が失われてしまうことで脱水症状のリスクが高まります。
軽度の脱水症状であれば、喉の渇き・めまい・食欲減退・尿量減少・血液濃度上昇などが起こります。
脱水症が進むと全身脱力感・疲労感・吐き気・精神不安定などの症状が出ます。
放置すると体温調整ができなくなり、呼吸困難・痙攣・失神などが起こって死に至るケースもあるほどです。
特に高齢者は喉の渇きを感じにくくなってしまうので、脱水症状に注意が必要です。

扁桃炎になると高熱が出るだけでなく、喉が痛くなって水分補給すら辛くなるほどの辛い症状が出ることがあります。
喉の痛みのせいで、唾を飲むだけでも激痛を感じることもあります。
扁桃炎にかかると喉の痛みのせいで水分が不足しても飲み物を摂取することが困難になり、脱水症状が更に進むという悪循環に陥ってしまうケースが多いです。
扁桃炎を発症すると喉の痛みのせいで水分補給が難しくなるので、他の病気で高熱が出た場合よりも脱水症状のリスクが高くなるので注意が必要です。
脱水症状を防ぐために、高熱が出たらこまめな水分補給を心がけるようにしましょう。

高熱や関節の痛みに襲われる

扁桃腺が腫れると喉の部分が炎症を起こすだけでなく、他の部分のリンパ節が腫れることで高熱が出る場合があります。
免疫細胞が細菌やウイルスなどの外敵を排除する際に炎症が起こります。
細菌やウイルスは温度が上がると活動が弱まるので、高熱により外敵との戦いを有利に進めることができます。
高熱が出ることは、人体にとって有害な外敵を排除するための手段のひとつといえます。

風邪やインフルエンザなどのように、扁桃炎以外の病気でも細菌やウイルスと戦うために高熱が出る場合があります。
感染症で熱が出るのは仕方がないことですが、高熱が続くと食欲不振で体力が消耗します。
風邪やインフルエンザの場合は高熱が出るのはせいぜい1~3日程度で、短期間で熱が下がります。
これに対して扁桃炎の場合は、高熱が5~7日間にわたり続くことがあります。

高熱は全身の倦怠感・頭痛・悪寒・吐き気などに加えて、幻覚(熱せん妄)・幻視・恐怖感・怒りなど脳症の原因になる恐れがあります。
風邪やインフルエンザのように高熱が出るのが短期間だけであれば熱を下げる必要がないケースが多いです。
これに対して扁桃炎で38℃以上の高熱が何日も続くようであれば、脳症などの症状を防ぐために熱を下げることが必要になります。

扁桃炎で高熱が出て医療機関で受診すると、解熱鎮痛剤が処方されることがあります。
高熱が続かないようにするために抗生物質が処方されたり、水分補給ができずにぐったりしている場合には点滴が行われたりします。
解熱鎮痛剤を服用すれば熱が下がるだけでなく、喉の腫れや痛みの症状も緩和されて楽になります。
高熱が出て食欲不振や水分の摂取ができなくなったら、耳鼻咽喉科で診察を受けることが大切です。

扁桃炎になると何日も続く高熱に加えて、リンパ節が多く集まる脇や関節が痛みに襲われることがあります。
風邪やインフルエンザで高熱が出る場合でも、関節痛の症状が出ることがあります。
ただし風邪やインフルエンザの場合には1~3日程度で熱が下がるので、関節痛の症状もすぐにおさまります。
これに対して扁桃炎の場合は1週間にわたり高熱が続くことがあり、何日も関節痛に苦しめられることも珍しくありません。

関節痛の症状が出たら、水分や栄養を補給して安静にしてできるだけ早く病気を治すことが大切です。
扁桃腺の炎症が治まれば、高熱や関節痛の症状が改善されるからです。

扁桃炎で高熱や関節痛みに襲われたら、解熱鎮痛剤を服用して熱を下げることで症状を緩和させる方法があります。
ただしこの方法は対症療法に過ぎず、高熱や関節痛の苦しみから解放されるためには病気を治さなければなりません。
根本的に病気を治すためには病原体に対する免疫力を回復させる必要があります。
炎症が続く間は何日も高熱や関節痛に苦しむことになるので、扁桃炎にならないようにきちんと予防をすることが大切です。

扁桃炎だと口臭に影響が出る?

扁桃腺は口の奥の方にあるので、口を大きく開ければ鏡で見ることができます。
扁桃炎は喉の奥の方に細菌やウイルスが感染して、免疫細胞が異物と戦う際に起こる炎症です。
扁桃炎になると細菌・ウイルス・免疫細胞の死骸が喉の奥の方に溜まり、白苔(白い膜のようなもの)や膿栓(粒状の白い固形物)が付着することがあります。
白苔や膿栓は腐敗臭を発生させるので、口臭に影響が出るケースが多いです。

扁桃腺は空気中を浮遊するウイルスや細菌が、呼吸の際に体の中に侵入しないようにするという大切な働きをする場所です。
扁桃腺にはたくさんの小さな穴があり、口から吸った空気に含まれるウイルスや細菌がここに捕獲される仕組みになっています。
捕獲された細菌やウイルスは免疫細胞によって殺されるので、穴の部分に死骸が溜まります。
扁桃腺の穴の部分に溜まった細菌やウイルスの死骸は、白い玉状の塊(濃栓)になります。
濃栓は強い臭いを発するので「臭い玉」と呼ばれることがあり、口から息を吐いたり会話をしたりする際に口臭の原因になってしまいます。

ちなみに風邪やインフルエンザにかかったときでも、喉の奥の方に濃栓ができることがあります。
扁桃炎や風邪・インフルエンザにならなくても、花粉症や季節性の鼻炎などで鼻が詰まって口呼吸をすると扁桃腺に細菌が溜まって濃栓ができる場合があります。
扁桃炎になると風邪やインフルエンザよりも濃栓が溜まりやすく、口臭に影響が出るケースが多いです。

時間が経過すると、濃栓は自然に排出されるか飲み込まれてしまいます。
濃栓自体に害はないので、放置しても特に問題はありません。
ただし炎症が治まった後も濃栓が排出されずに喉の奥の方に貯留し続けると、口臭で周囲の人に迷惑をかけてしまう恐れがあります。
扁桃腺に大きな玉が付着し続けることで、喉の奥の方に異物感を感じることもあります。

口臭や喉の異物感が気になる方は、濃栓を取り除くことで症状を改善させることができます。
自分の指で押し出して取り除く方もいますが、この方法だと爪で扁桃腺に傷をつけてしまう恐れがあります。
口臭が気になる方はうがいをして排出をするか、医療機関で受診して除去してもらう方法があります。

耳鼻咽喉科で受診をすれば、圧迫して押し出す・吸引やピンセットで除去する・薄めた食塩水で洗い流すなどの方法で濃栓を除去してもらえます。
最近は自分で洗い落とすための道具がネット通販などで販売されていて、水流を利用することで扁桃腺に傷をつけないようにして安全に異物を除去することが可能です。
これは理科の実験室に置かれているプラスチック製の洗瓶のような道具で、先が細くなっているホースから勢いよく水を出して濃栓を洗い落とすことができるようになっています。

濃栓や白苔はウイルスや細菌の死骸なので、炎症が治まった後に喉の奥の方に溜まるケースが多いです。
熱が下がった後になって口臭が気になる場合があるので、異物感や臭いが気になる方は耳鼻咽喉科で相談をすると良いでしょう。

免疫力が下がっている時が危険!

風邪やインフルエンザはウイルスに対する抗体を持っていないと発病するので、どんなに気をつけていても完全に防ぐことはできません。
これに対して扁桃炎は、体の免疫力が低下しているときに身近に存在する細菌やウイルスが扁桃腺で繁殖・感染して起こる病気です。
普段の生活で免疫力が低下しないように注意をしていれば、防ぐことができます。

免疫力が下がる原因には、睡眠不足・偏った栄養・アルコールの飲み過ぎ・ストレス・疲労・不規則な生活・体温の低下などが挙げられます。
冬にしっかりと防寒対策をしないで過ごすと体温が下がり、気がつかない間に免疫力が下がってしまう場合があります。
偏った食生活が続くとビタミンやミネラル分が不足して、抵抗力が落ちてしまいます。

免疫力が低下してもすぐに症状が出る訳ではないので、知らないうちに細菌やウイルスに対する抵抗力が弱くなってしまう場合が多いです。
免疫力が下がっている時に風邪を引いたり花粉症による鼻づまりで口呼吸を続ける事などがきっかけとなって、扁桃炎を発症してしまう危険性があります。

免疫力が低下しても気づきにくい場合がありますが、“前兆現象”が出ることがあるので体の状態でチェックすることができます。
免疫力が低下すると起こる症状には、風邪をひきやすくなる・花粉症の症状がひどくなる・鼻づまりや鼻水が続く・口内炎が治りにくい、などがあります。
これらの症状が出ると体の免疫力が下がっている恐れがあり、何かのきっかけで扁桃炎を発症する危険が高いといえます。
免疫力の低下に気づいたら、すぐに適切な対策を講じることが大切です。

免疫力を回復させるためには、規則正しい生活・バランスの取れた食生活・適度な運動・ストレスを解消する・十分に睡眠や休養を取る・タバコやアルコールを控えるなどの方法があります。
アルコール飲料の飲み過ぎはビタミン不足の原因になるので、年末年始や特別な行事などでお酒を飲む機会が多い時期は特に要注意です。

現代人にとって食生活は免疫力が低下する一番の原因で、普段の食事でマグネシウムなどのミネラル分やビタミンBが慢性的に不足している人が多いです。
多くの場合、食事の内容を改善するだけで免疫力を回復させることができます。
食物アレルギーや食べ物の好き嫌いが多くて食事の栄養バランスが悪い方は、栄養補助食品(サプリメント)やビタミン剤などを利用する方法があります。

扁桃炎は普段の生活で免疫力が下がらないように心がけるようにすれば、防ぐことができる病気です。
扁桃炎を発症してしまうと、長期間にわたりのどの痛み・高熱・関節痛などに苦しめられます。
熱が下がった後も扁桃腺に濃栓が溜まることで、口臭や喉の奥の方の違和感が残ることがあります。
これらの症状に苦しめられないようにするためには、日頃の生活で免疫力を低下させないように注意を払うことが大切です。