扁桃炎は早期に発見して適切な治療を受けよう

風邪をひいて喉が痛いという経験は誰もが一度や二度はあるでしょう。
しかし、食べ物が飲み込めなくなったり水を飲むのも唾を飲み込むのも痛くなったり、熱が出ている場合は「扁桃炎」を起こしているかもしれません。

扁桃炎になると、喉が真っ赤に腫れるタイプと白い膿で覆われるタイプがあります。
いずれにしても症状は、のどの痛みや発熱や体のだるさ、悪寒(寒気)や関節痛などです。
食欲が落ちる上に、喉が痛くて食べることができません。
時には水を飲むことさえも困難になったり、唾を飲むのもつらいのでよだれを垂れているというケースもありますし、首のリンパが腫れることもあります。

この時点でクリニックや病院を受診するとは思いますが、放置するとどうなるのでしょうか。
当然炎症が進行して症状も悪化して重症化します。

最悪の場合は、呼吸困難となって気管切開をして呼吸できるようにしなければならなくなったり、気管挿管と言って気管内に管を入れて呼吸する道を作ってやらなければならないこともあります。
つまり、悪化して重症化した場合は命に関わることもある、ということです。

これは、喉頭が腫れて気道が狭まることが原因で起こります。

また、炎症が扁桃の周囲にまで及んで頸部膿瘍を来したり、縦隔膿瘍にまで進展することもあります。
縦隔と言うのは縦に隔てると書きますが、胸を縦に隔てている部分です。
左右の肺と胸椎や胸骨に囲まれた部分が縦隔です。
縦隔には心臓や気管などの重要な臓器があります。
ここに膿が溜まってしまう事を、縦隔膿瘍と言います。

このようになってしまう前に、早期に発見して早期に治療を受けたいものです。

市販の風邪薬を飲んでものどの痛みが一向に良くならず、「風邪が長引いているのかな」と思っていたら、水も飲めなくなってしまったというケースもあります。
最近は抗菌薬を処方されるのを嫌がる患者さんも少なくないのですが、細菌が原因の扁桃炎だと診断された場合は処方されたお薬を最後まできっちりと飲むことが大切です。

「良くなったのだから、出来るだけ余計な薬は飲まないに越したことはないだろう」などと思って、自己判断で途中で薬をやめてしまうと、生き残った細菌が薬に対して耐性を持ってしまいます。
細菌を完全にやっつけるためには、最後まできちんと処方された薬を飲んでください。

家庭や自分自身でできること

上記のように、処方された薬を服用方法を守って飲むこと以外にも、ご家庭で出来ることはまだまだあります。
扁桃炎にかかってしまう時は、疲れている時やストレスがたまっていて免疫力が低下していることが多いので、まずは安静にしましょう。
神様がくれた休養だと思って無理をしないで、仕事は休んでください。
せっかく早期に発見できても、無理をしてこじらせてしまったのでは元も子もなくなります。

部屋は乾燥しないように加湿器を使って加湿したり、濡れたバスタオルなどを干すなどして適度な湿度を保って、喉が乾燥しないようにしましょう。
これも家庭で出来る治療の1つと言えます。

食べられるようなら、飲み込みやすい柔らかい物を無理のない範囲で食べるようにしてください。
ヨーグルトやプリンやゼリーや茶わん蒸しや卵豆腐などが飲み込みやすくて喉に優しいでしょう。
ゼラチンやくずで固めた物も食べやすいです。

レトルトの介護食なども今はスーパーで売っているので、そのような物を利用するのも一方法です。
カレーやわさびやコショウがきいたものや唐辛子などの香辛料は刺激物なので避けた方が無難です。

水や唾液を飲み込むのも痛い時やよだれを垂れている時や食事が何日も取れていない時は、点滴や輸液で水分や栄養分を補う治療を受けた方が良いでしょう。
このような場合は、食事状況を医師に報告してください。

そして何よりも気を付けたいのは進行させないようにすることと、万が一悪化して重症化した時の呼吸困難の症状を見逃さないようにすることです。
小児の場合は、自分の体の不調をうまく言葉で伝えることが出来ないことも多々あります。
大きなイビキを掻いていないか、息が苦しそうにしていないかなどは気を付けて見ましょう。

扁桃炎は早期に発見して早期に適切な治療を受けることが重要です。
放置すると命に関わることもある病気だということをしっかりと認識しておいてください。